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人工知能研究センターが研究職員を募集

産総研の人工知能研究センターがプロジェクト型任期付研究職員の公募を開始しましたので、ご検討のほどよろしくお願いします。

詳細につきましては下記ページをご覧ください。
産総研 : 採用情報 情報・人間工学領域の研究職員募集
産総研 : 採用情報 研究職員募集

双方向回路 QBC

この半年ほど疑似ベイジアンネット(=定性的ベイジアンネット)による認知機能モデリング手法の開発に取り組んでいましたが、
現状の説明資料を公開しました。
双方向回路 QBC による認知機能モデルのプロトタイピング

双方向回路 QBC というものを使って、視覚野、言語野等のモデルのプロトタイプを作っています。
こういう研究に関心のある研究者の方はご連絡ください。
機械学習の知識がなくても取り組めます。

計算言語学における精緻な理論の1つに
CCG(Combinatory categorial grammar, 組み合わせ範疇文法)というものがあります。
これは文脈自由文法よりは広いがチューリングマシンで受理可能なクラスよりははるかに狭い、という不思議な性質を持っています。
CCG は非常に多くの言語現象を説明するのに成功しているらしく、
脳の言語野のある側面を非常に正確に浮き彫りにしていると言えます。

大脳皮質が制限付きベイジアンネットだとすれば、
制限付きベイジアンネットを使って CCG の
構文解析や文法の学習が可能であるはずです。
それを実証するシステムの実現に向けて、かなり進展したように思います。

ICONIP 2016 にて発表

10月17日(月)は京大で開かれる ICONIP 2016Whole Brain Architecture のセッション で発表してきます。

内容は、下記研究会論文を手直ししたものです。
一杉裕志、「制限付きベイジアンネット BESOM の正則化の一手法」
第96回人工知能基本問題研究会(SIG-FPAI), 2015.
論文
スライド

16日(日)のチュートリアルは無料です。
Aapo Hyvarinen のICAの話 に期待しています。

募集・イベント等

誰かに依頼されたわけではありませんが、
私の研究に関連した募集・イベントがいろいろありますので、紹介いたします。


第3回SIG-AGI開催案内 - 汎用人工知能と技術的特異点
2016年9月12日(月) 13:30-17:30 ドワンゴ 銀座松竹スクエア
ハッカソンと LIS ver.2 の公開の説明もあるようです。


・OIST 銅谷先生が始める新学術領域の公募説明会があります。
新学術領域「人工知能と脳科学」キックオフシンポジウム+公募説明会 - 人工知能と脳科学の対照と融合
9月13日(火) 会場:東京大学


(一社)人工知能学会 合同研究会2016(11月9-12日 慶応 日吉)の一部として、
ベイジアンネットワーク・マルコフネットワークの講演会が開かれます。
数学協働プログラム「確率的グラフィカルモデルの産業界への応用」
鈴木譲先生の書かれた開催趣旨が背景をわかりやすく説明しています。
開催趣旨


NeuromailでATR細谷さんが研究者募集をしていました。
こちらのページでも募集しています。
Haruo HOSOYA
計算論的神経科学の分野で視覚野のモデルに取り組みたい方はぜひご検討を。


・産総研 脳型人工知能研究チームでも共同研究、ポスドク、インターン等、常時募集中です。
必ずしも機械学習に慣れている必要はありません。本気で汎用人工知能の実現を目指す方を求めています。

定性的ベイジアンネットによる認知機能モデリング

先日も少し書きましたが、
小規模な定性的ベイジアンネットを使って、
視覚野、言語野、運動野、前頭前野、側頭葉などがつかさどる
さまざまな認知機能のモデルを1つ1つ動かし始めています。

例えば視覚野の背側経路の機能やオクルージョンの処理の機能、
言語野の単語列表現と深層格表現の間の相互変換の機能、
運動野の階層的な時系列の再生機能、
前頭前野や側頭葉による論理的推論の機能、
などです。

単に「ベイジアンネットを使う」というだけでは制約がゆるすぎて
なんでもできてしまうので、かなり強い制約を入れており、
その範囲でどこまで実現できるか試しています。
制限付きの定性的ベイジアンネットを記述するDSLを Java で作って、
それを使って個々の認知機能モデルを書いています。
学習機能はなく、条件付確率表(CPT)を手で与えます。
変数の値に意味のある文字列が使えるので可読性が高いという利点があります。
ふるまいは prolog と似たところがありますが、スタックとヒープがなく、
有限の状態数しか持たない固定したネットワークの上だけで動作します。

これが非常に面白い!
実際に動くようになると、パワーポイントで模式的に
書いてみただけでは気づかなかった問題が次々に出てきてます。
それを1つ1つ解決すると、
長年悩んでいた別の未解決問題が同時に解決されていきます。
効率の問題、万能性の問題、神経科学的妥当性の問題など
まったく無関係に見える問題が、です。
いよいよ大脳皮質が行っている情報処理を推定するパズルが
終盤に来たというかんじです。
ジグゾーパズルでもナンバープレースでも、
終盤に入ると急速に穴が埋まりますよね?
(汎用人工知能実現に向けてその先にやることは
まだたくさんありますけどね。)


制限付きベイジアンネットはCPTに制限をいれたベイジアンネットですが、
それに加えて、さらに以下の様々な制約を念頭に置いて
ネットワークを設計しています。

- 再下端のノードの値を生成する生成モデルになっている。
- 問題サイズに対しニューロン数・シナプス数が爆発しない。
- ニューロン発火・シナプスの重みはスパース。
- 親ノードは子ノードの値の組を抽象化した情報を表現する。
- 同一階層内にあるノードどうしは独立。
- ノード内のユニットは均等に使われる。
- ノード内の隣り合ったユニットは似た情報を表現する。

この中のいくつかの性質は、
CPTをBESOMを使って教師なし学習する際の
パラメタの事前分布になるものです。
大脳皮質のすべての領野に共通の「汎用事前分布」と言えるでしょう。
今後もいろいろな認知機能モデルを書いていくうちに
新たな汎用事前分布が見つかる可能性があります。

近い将来この研究に携わりたい方は、
論理回路の基礎、計算機アーキテクチャの基礎、
ラムダ計算や数理論理学の基礎あたりを軽く眺めておいていただけると
役に立つと思います。
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