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暗闇の実験で脳の事前分布を直接観測できる!?

所内ゼミの論文紹介の発表資料を手直しして web に載せました。
http://staff.aist.go.jp/y-ichisugi/besom/201206prior.pdf

下記の論文を紹介しています。
「皮質の自発活動が内部モデルの環境への最適化の証拠を明らかにする」
Berkes, P., Orban, G., Lengyel, M., and Fiser, J. (2011).
Spontaneous cortical activity reveals hallmarks
of an optimal internal model of the environment.
Science, 331(6013):83.87
http://www.sciencemag.org/content/331/6013/83.abstract


暗闇でのニューロンの自発活動がベイズモデルにおける事前分布だと仮定すると、
脳が外界に対して統計的に最適化されたとき
「自然動画による平均誘発活動」と「自発活動」が一致することが予測され、
その予測を実験によって確認した、という論文です。


さて、この論文が主張するように、
暗闇での実験で事前分布を直接的に観測できるとすれば、
かなり画期的なことではないでしょうか。

[Rao 2005][Chikkerur, Serre, Tan and Poggio 2010] などの
大脳皮質ベイジアンネットモデルによると「注意=事前分布」です。

ベイジアンネットモデル以外の多くのベイズモデルも、
脳の中に「事前分布」があると仮定していますが、
その事前分布を直接観測した例はないと思います。

一方で、注意に関する電気生理現象を統一的に説明する
[Reynolds and Heeger 2009] の「注意の正規化モデル」では、
脳の中の「注意フィールド」というものの存在を仮定していますが、
その注意フィールドもまた、直接観測されたものではありません。

この論文の方法で、脳が持つ事前分布が直接観測可能ならば、
「注意」もまた直接観測可能になり、
さらに、「注意」と「事前分布」との一致を定量的に示すことも
できるかもしれません。

そのような研究が今後出てくることを期待します。

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