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文献紹介:「注意のベイズ推論理論:神経科学とアルゴリズム」

もう1つ文献紹介。MITのテクニカルレポートです。
ベイジアンネットを核にして、多くの脳のモデルが急速に統合されていく時代の幕開けを、確信させる論文です。

Sharat Chikkerur, Thomas Serre and Tomaso Poggio:
A Bayesian inference theory of attention: neuroscience and algorithms,
Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory Technical Report, MIT-CSAIL-TR-2009-047 CBCL-280, October 3, 2009
http://dspace.mit.edu/bitstream/handle/1721.1/49416/MIT-CSAIL-TR-2009-047.pdf?sequence=1

このモデルはシンプルでありながら、「注意の正規化モデル(The Normalization Model of Attention)」[Reynolds and Heeger 2009] のかなりの部分を包含しているように思います。
他にも Itti のモデルなど既存の多くの有名な視覚野のモデルと関係しています。

このモデルは、ベイジアンネットを使って注意に関係する電気生理学的事実を説明する [Rao 2005] のモデルを、拡張したものです。

[Rao 2005] のモデルで再現される spatial atention, multiplicative modulation という現象に加え、
feature-based attention, pop-out (周辺抑制), contrast response という現象もきれいに再現しています。

PFC, LIP(FEF), IT, V4, V2 の5つの領野を模した5種類のノードからなるシンプルなベイジアンネットを使っています。
モデルのパラメタ(条件付き確率表)の設定も神経科学的にあまり無理のないものになっていると思います。

[Reynolds and Heeger 2009] のモデルに出てくる σ の意味は何か謎でしたが、このモデルでは、「ある特徴を持つ物体がどこにもない」という状態を表す値を確率変数に導入することで、 σ の効果を再現することに成功しているようです。

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ベイジアンネットを使って大脳皮質を理解しようとする研究者が少しづつ増えているようですね。今後ある時点で爆発的に増えるのではないでしょうか。
日本ではそのような気配があまり感じられず、危機感を持ちました。

脳の動作原理を理解することは単に自然科学における意味があるだけでなく、それを工学的に応用することで莫大な利益を生み出す可能性があります。
この技術の急激な進展が、特定の個人・組織・国家に極端に富を偏在させる危険性があり、今から危惧しています。

コメント

No title

梶田さん、コメントありがとうございます。
こつこつがんばってます。
少人数でこつこつやっててもしょうがないんですが、やる人がなかなか増えません。
ひとえに私の力不足のせいですけど・・・。

おお,AIラボレポート!

おお,MIT AI Labレポートですか.Possioってかなり有名な研究者ですよね.

>脳の動作原理を理解することは単に自然科学における意味があるだけでなく、
>それを工学的に応用することで莫大な利益を生み出す可能性があります。

同感.そろそろ大ブレイクがくると思います.一杉さんがんばって下さい!

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