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ヒトと類人猿の違い

前回の記事にコメントをいただきましたので、
新しい記事にしてお返事いたします。

>話がそれていたら申し訳ありません。
>
>以下のように2つの訓練から、4つの推論が訓練せずに成立することを、刺激等価性が成立したと言えるそうです。
>
>訓練1:AならばB
>訓練2:BならばC
>
>推論1:BならばA(対称性:訓練1に対する)
>推論2:CならばB(対称性:訓練2に対する)
>推論3:AならばC(推移性)
>推論4:CならばA(等価性)
>
> これらの推論はヒト以外の動物では、一部の例外を除き成立しません。しかし「AばらばB」の逆(BならばA)は、論理的に真とはならないので、ヒトのみがこのような非論理的推論を行っていいます。しかしそれゆえに高度な認知機能を獲得したとも予想されます(言語と思考を生む脳 より)。
>
>私はこれが気になってます。

コメントありがとうございます。

「言語と思考を生む脳 (シリーズ脳科学 3)」は、
遅まきながら現在取り寄せ中です。

「非論理的推論」は
「非演繹的推論」さらには「帰納推論」と言い換えてよいでしょうか。
「非論理的推論」という表現だと不合理というニュアンスがありますが、
「帰納推論」ならば生物にとっては生存に有利な推論であると思います。
そして、それは機械学習の用語で言えば、
事前知識を使った汎化能力の向上ということになると思います。
こういう方向で、要求仕様と実現メカニズムについて
ちょっと考えてみたいと思います。
(実現メカニズムとしては、例えば、
経験をいったん海馬に蓄えて、それをもとにして類推を広げるような機構を
思い付きます。)


人間と動物の脳の機能の違いは、刺激等価性の話以外にも
共同注視、再帰的な文法の獲得などいろいろあったと思います。
網羅的にリストアップされた文献があれば欲しいところです。

神経解剖学的にはヒトと類人猿の脳にそれほど違いはないと認識しています。
このことは逆に、脳のアーキテクチャを推定するよいヒントになりそうです。
仮にヒトと類人猿の脳のアーキテクチャに違いはまったくないと仮定すると、
機能に違いが出る原因としては
1.脳のアーキテクチャではなく、パラメタの違い。
2.脳のアーキテクチャではなく、脳幹などに作り込まれている「習性」の違い。
が考えられると思います。

コメント

No title

帰納的推論の意味を勘違いしていました。
「四枚カード問題」をはじめて聞いた時、ヒトの論理的思考能力のあやうさに驚きました。

No title

この記事での「帰納的推論」とうい言葉は、「演繹的推論以外のすべて」、
という広い意味で使いました。
(この広い意味だと、仮説推論なども帰納推論に含まれます。)

人間が刺激等価性や確証バイアスなどの認知バイアスを持つことについては
異論はないのですが、
四枚カード問題の実験は、あげられたリンク先のままの実験だとすると
つっこみどころがあるように思います。

自然言語の意味論は、必要な情報をできるだけ簡潔に伝えられるように
最適化されているはずです。
多くの場合「AならばB」と書いてあれば「BならばA」という意味も含み、
そう誤解されたくないときは
「AならばB、ただしBならAとは限りません。」
と書くべき、という日本語の暗黙のルールがないでしょうか。
(文脈にもよるとは思いますが。)

マニュアルに「数値を0でわると「division by zero」エラーになります。」
と書いてあるとき、
「論理的」に考えて「数値を0で割る場合以外にもこのエラーは出る」などと
受け取る人はいません。

「「母音の裏は偶数、ただし偶数の裏は母音とはかぎらない」という
ルールを確認してください」と問えば、4のカードを選ぶ人は確実に減り、
正解率が上がる気がします。


もう1つのつっこみどころとしては、
「全て片面に数字が、もう一方の面にはローマ字」という前提条件は絶対に真で、
「母音の裏は偶数」という命題のみ確認したい、
という問題設定がかなり非日常的だと思います。
普通は「全て片面に数字が、もう一方の面にはローマ字」という前提も
本当に成り立っているのか確かめたくなってしまうと思います。
この可能性を排除するような実験デザインにしないと、
この問題を間違うメカニズムが見えにくいと思います。


「郵便局員になったつもりで」の方の問題は、
40円はるべきところに80円切手があっても郵便局としては問題ないので、
自然に80円切手の封筒をめくるという選択肢が排除されて、
正解率が上がる可能性があると思います。

心理学・認知科学の研究には、この手のつっこみどころがあるものが多く、
深く考えないと、脳のメカニズムを正しく推定できないと常々思っています。

No title

(BならばAなどの)4つの推論が訓練せずに成立する(1度も経験が無い)ということなので、「帰納的推論」とまでは言い換えることはできないと思います。

「四枚カード問題」という有名な心理学の実験があります(参照:http://lifenaut.exblog.jp/86492)。
論理的にはまったく同じでも、その課題の素材が違うだけで正解率が劇的に変わります(大学生で4%→83%)。「A、K、4、5」のほうの問題で、46%の学生が「A、4」と間違ったのは、刺激等価性も利用したためではないかと私は考えています。問題が実生活とかけ離れている場合、推論による脳の負荷が高く、お手軽な刺激等価で間に合わせる。問題が実生活に密着していれば、命題(封がしてあれば80円切手、封がしていなければ50円切手)がすぐに利用でき、演繹あるいは帰納推論ができるのではないかと考えます。
コンピュータで解けばどちらも正解できるので、考える必要はないように思いますが、命題が記憶にあればそれを使い、なければ刺激等価のような方略を使うというのもありかと思います(真剣に考えれば正解もわかればいいのですが)。
参照ページでは「確証バイアス」や「課題素材効果」で説明していますが、私なりの解釈をしてみました。

ヒトの大脳皮質でとくに発達した領域として以下の4つがあげられます。

1) 下頭頂小葉(縁上回、角回)
視覚、聴覚、触覚などの異なる種類の感覚情報が脳の中で合流する場所。 抽象的な概念をあやつるうえで不可欠な役割をはたしているとみられている。

2) ブローカ野およびウェルニッケ野
言語を司る2つの中枢。ブローカ野は、ヒト以外の動物の脳には存在しないか未発達で、ウェルニッケ野は、チンパンジーなどの類人猿にくらべ6~7倍。

3) 前頭極部
前頭前野の中で最も複雑な処理を行っていると考えられる。 代表例は「推論」。

4) 前部帯状回
ヒトの社会性の根底をなす、「他人の視点に立って考える」 脳の働きに関連しているとみられる。

実は程度の差でヒトと明確に切り分けできないかもしれません。
刺激等価などとよけいなことをいいながら、実際は他の動物との共通機能から作るほうが優先ですよね。

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