人工知能不可能論の1つ「モラベックのパラドックス」に対する反論

大脳皮質と deep learning の類似点と相違点のページに下記項目を追加しました。

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・学習器が大規模になるほど入力データの前処理が単純。(類似点)

以前は研究者が行っていた特徴抽出の設計を、
deep learning では生データからの学習で置き換えることで性能を向上させた。

生物の進化でも似たことが起きている。
カエルの網膜は複雑な情報処理を行っており、
例えば黒い影が迫ってくるような状況も検出できる。
(参考: http://www.biophys.jp/dl/journal/47-6.pdf の p.357 。)
ウサギなどの網膜はそこまで高度ではないが方位選択性は持っている。
視覚の発達したネコ・サル・ヒトなどの網膜は、方位選択性を持ってない。
このように脳の視覚情報処理能力が高いほど、網膜の処理は単純になる傾向がある。

運動についても、サルやヒトの複雑で精緻な手の動きには、
おそらく脊髄や脳幹よりも大脳皮質の関与が大きいだろう。

(この傾向は、人工知能不可能論の1つモラベックのパラドックスに対する
反論になっている。
モラベックは、感覚と運動の機構は長い進化の末に
非常に複雑なものになったと予想したのかもしれない。
しかし実際には逆で、進化の結果むしろ単純化したのである。
これまで機械に苦手だった感覚と運動の処理は、
今やデータからの学習により実現可能になり、
もはや不可能論の根拠ではなくなったのである。)

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